速さこそが生き甲斐だった。F1,競馬,スマッシュサーブ,100m走,剛腕パス,盗塁王…。スピードを持てるのは,生きている証だ。そして,スピードをさらに上げられるのも,生きている証だ。
インテル社は20日,ペンティアム3の750MHzおよび800MHzを発表し,AMD社のアスロン750MHzから最速の座を奪い取った。この発表は,インテルが中核としているハイエンドモデル市場で,AMDからどれだけ強いプレッシャーを感じているかを示している。今後も両社から予想よりも早く,新しい高速度プロセッサーが出荷される可能性は非常に高いといえるだろう。
インテルが5月17日に550MHzペンティアム3を出荷,AMDは6月23日に600MHzアスロンを発表,インテルが8月2日に600MHz(過去記事),AMDが8月9日に650MHz,さらに10月4日に700MHz,今度はインテルが10月25日に733MHz,AMDが11月29日に750MHz…と,今年の流れは,動作周波数の階段三段跳びくらいの勢いの流れに当てはめることができる。インテルは,ミレニアムを最速で迎える,と云うことに言葉以上の意味を持たせているのだろう。
対するAMDも当然動いており,すでに800MHz版のレビューがあちこちで報告されている。正式には1月10日に800MHz,2月7日に900MHzというロードマップがあるが,それをも前倒しして発表することは容易に考えられる。人間は速さの中に,その速さの果ての「死」を見て,タナトスを感じる。今の世の中で,それをいちばん感じさせてくれるのは,このCPU DRIVEだ。速さこそ命,速さこそ全て,という唯一絶対無二の価値基準が,そこにあるのだから。
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